友情恋人ゲーム〜デス・ミッション〜(仮)
一呼吸置いて、主催者は説明を始めた。
『先程も申しましたように、あなた方にやってもらうゲームは【友情恋人ゲーム】です。開催地は、ここ。清秀高校の校舎内で行います。ゲーム内容はいたってシンプル。ゲーム開始と同時に、2体のピエロがこの校舎内で"狩り"をします。このピエロに捕まったら、ある"指令"が出されます。この指令を"デス・ミッション"と言います。このデス・ミッションをクリアする。それだけです』
呆然としている10人を気にすることもせず、主催者は淡々と続けた。
放送で話しているため、顔が見えていないこともあるからかもしれないが…
『デス・ミッションが出されたら、制限時間3時間以内にクリアしてください。もし、しなければ…クリア出来なかった代償として、自分の"命"を差し出してもらいます』
命…?
この単語を聞き、思わず身震いした。
武者震いなんかじゃない。
漠然とした恐怖心から、背筋がゾッとした。
悠也がチラッと横を見ると、隣にいる絵里が、自身の腕に手を当てていた。
自分自身を抱き締めるように。
本来なら、自分が抱き締めてあげるべきなのに、情けないことに、体が動かなかった。