友情恋人ゲーム〜デス・ミッション〜(仮)
その時突然、つけていたはずの教室の電気がフッと消えた。
「え?停電?」
その直後――プツリ。
なんだか聞き覚えのある音がなった。
次いで、ボーン…とマイクが入ったような音が響く。
そのあと、どこからか妙な声が聴こえた。
『皆様、初めましてこんにちは』
驚きで、全員の体の動きが止まる。
「……え?」
俺の気のせいか?と悠也が皆の顔を見わたしたが、皆の表情を見るかぎり、どこからか声が聞こえたのは間違いないらしかった。
「な、なに…!?今の声…」
悠也同様、気のせいではないと察した高倉絵里が、辺りを見渡す。
『驚かせてしまいましたか?』
聞き覚えのない、低く、しかし聞き取りやすい声。
声の低さからいって、恐らく男性だろう。
どうやら、声は黒板の上、丸い時計の右横にあるスピーカーから聴こえているようだ。
道理で、聞いたことのある音だと思った。