【完】くすぐったがり彼女
くすぐったがり彼女

デートの最後に必ず立ち寄る行きつけの喫茶店。

俺は、勝負に出た。



「真紀(マキ)。この後俺の部屋こない?」



「智(トモ)の部屋?」



わずかにカップの底に残ったミルクティーをゴクリと飲み干した真紀が、カップを両手で包み込むように持ったまま、クリクリした目で俺を見つめた。


俺の心臓はバクバク音を立てている。


真紀は真剣な俺の表情に、何を伝えたいのか分かったようで、恥ずかしそうに頬を染めた。


そして、カップを静かにテーブルの上に置くと、



「いいよ」



と小さく呟いた。


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