【短編】5回目のキス
「そんな見ないでくれる?」
突然開いた目とバッチリ視線が絡まり、一瞬止まってしまう。
「ギャー! けけけっ圭矢?!」
「うるさ……何?」
「いっいつから起きてたの?!」
「……いつからそこに居たの?」
えぇ?
いつから?!
えっと……ちょっと前?
いや、大分?
え?
どれくらい見てたんだろう?!
時計を見ながら、パニックな頭の中。
「雫……落ち着けば?」
はい……。
その通りだね。
起き上がった圭矢は、そのままお風呂に入った。
私といえば、真っ赤な顔を両手で押さえて動けない。
あぁ、もう!
本当に私の馬鹿っ!
ただの変態じゃないっ!