【短編】5回目のキス

洗濯籠に洗った洗濯物を入れてハンガーに干していく雫。



「ねぇ、圭矢。やっぱり、乾燥機買おうよー」



そう言いながら、洗濯物をパンパンと叩きハンガーを取る。



「部屋干しって中々乾かないしね?」



振り返り言った後に、干されていく俺のシャツ。



「圭矢ー、聞いてるー?」

「うん、聞いてるよ?」



ベットに寝転び、顔だけを雫に向けた俺を見て『どうして笑ってるの?』って首を傾げた。



「いや、雫って奥さんみたいだなーって思って」



楽しそうに俺の洗濯物を干してさ?
電化製品のリクエストしてさ?

なんか、奥さんみたいだなって……思っただけなのに。


洗ったばかりの洗濯物を握り締めて、恥ずかしそうに俯く雫。



「え? どうしたの?」

「……奥さんって」



そう言いながら赤くなる顔。


あぁ、それで?
それだけで?

本当に雫は可愛い。


そんな些細な事で、真っ赤になってさ?
どうしてこんなに可愛いんだろう。




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