届かなくてもあなたが好き


やっぱり一円だけでも、おさいせん入れるべきなのかな。

さすがに、神様に何もあげないでお願い事なんて図々しいよね。

でも…毎週お参りするたびにお金使ってたら、あたしの全財産がすぐに底をついてしまう…!

どどど、どうしよう…。

……とりあえず、いい子にしてよう…。



ピロリロリ〜ン♪

あたしの携帯にメールが届いた。

メルマガ…。
純君のモバイルファンクラブからだ!

急いでメールを開くと、そこには純君の、今度開催されるイベントの詳細について書かれていた。

来月の16日…!?
あたしの誕生日じゃないか!
これは行くっきゃない!

あたしはさっそく、携帯からチケットを応募した。

チケットが当たれば…イベントに行くことができれば…誕生日に純君に会える!

「こんな最高のプレゼントって、ないでしょ〜♪」

あたしはもう一度神社に戻り、今度は五円玉を投げ入れて、強くお願いした。


< 2 / 19 >

この作品をシェア

pagetop