届かなくてもあなたが好き


「あ、りっちゃん。
イベントは午後の3時からなんだけど、会場にはもっと早く行くからね!」
〈は?何で?〉

再び、りっちゃんが嫌そうな声を発したけど、気にせずあたしは続けた。

「あのね、なんと、会場入り先着50人のみ、イベント開始前に純君の控え室に行けるんだって!」

〈あら、それはすごい〉

「りっちゃん、お願い、買い物付き合ってね!」

電話だからりっちゃんにあたしの姿は見えないのに、あたしは無意識に頭を下げて懇願していた。

〈わかった、とびっきり可愛くしてこーね〉

「うん!ありがと、りっちゃん」〈どーいたしまして♪〉



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