届かなくてもあなたが好き
「手紙?」
ファーストフード店にて。
ハンバーガーを食べながら、りっちゃんは聞き返した。
「うん。花束と一緒に、手紙を渡そうと思ってるんだ。
それでね、どんなこと書いたらいいと思うか、考えて!」
「考えてって言われても…」
困ったように首を傾げるりっちゃん。
「やっぱ『お仕事頑張ってください』とかじゃないの?」
「そうだよねー」
でも、なんかそれじゃパッとしないというか…普通すぎるっていうか…。
なんかもっとこう、気のきいた一言ってないのかな…。
「まぁ、今日ゆっくり考えてみれば?」
「うん、そーする」
あたしが頷いてバニラシェイクを飲み干すと同時に、りっちゃんは「よし」と立ち上がった。
「服もバッチリ買ったし、今度はあたしの買い物に付き合ってよね!」
「わかった」
新作のコスメがどうとか話しはじめるりっちゃんに、あたしは心の中で「ありがとう」と言った。