届かなくてもあなたが好き
その日の夜、りっちゃんと撮ったプリクラをプリ帳に貼ってから、あたしはレターセットを取り出した。
まだ書く内容は決まってない。
「んー…」
考える時、ペンを回してしまうのがあたしの癖。
って、今はそんなことどうでもいいんだけど。
「純君が喜ぶような……」
純君を中心に考えてみようとしたけど、まったく思いつかないので、“あたしが言われたら嬉しい言葉”について考えることにした。
「やっぱ『お仕事頑張ってください』とかじゃないの?」
りっちゃんはそう言ってた。
“頑張れ”って応援してるんだろうけど、ピンと来ない。
きっと、あたしはあんまり嬉しくないからだ。
“頑張れ”という言葉は、あたしは好きじゃない。
すでに頑張っている人に、“頑張れ”というのはひどいんじゃないかと思う。
純君なんて、毎日の過密スケジュールをちゃんとこなして、いつも頑張ってる。
「じゃあ、なんて書けば…」