届かなくてもあなたが好き
くるくるとあたしの手で回るペンを眺める。

回すのに失敗して、途中でペンが落ちてしまった。

それからペンは持たずに、壁に貼ってある純君のポスターを見る。

やっぱ、いつ見てもかっこいいなぁ…。

どんなに疲れてても、彼は必ずテレビの前で笑顔を見せてくれる。

テレビ越しにだけど、純君の笑った顔を見られると、その日は一日中ハッピーでいられる。

純君の笑顔は、あたしに幸せを運んでくれるんだ。

純君が笑ってるだけで、あたしは嬉しい。だから…あなたには、いつも笑顔でいてほしい。

「純君…ちゃんと休めてるのかな…」

仕事も大事だけど、頑張りすぎて体調を崩してしまったら意味がない。

ひとつひとつ一生懸命取り組む人だから…なんだかそんな不安がある。

「……よし!」

あたしは手紙に、出来る限り綺麗な字で一言だけ綴った。

【頑張りすぎないでください】


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