届かなくてもあなたが好き
「りっちゃん、りっちゃん」
「何?」
「変じゃないかな…?」
あたしは自分の着ている服をりっちゃんに見せる。
りっちゃんは、少し怒り気味で答えた。
「変じゃないって言ってるでしょ!もう、さっきから何回聞いてんのよ!」
「えーと…」
「数えなくていい!」
吹き飛ばされそうな勢いで、あたしにピシャリと言ったりっちゃん。
「せっかく、このスーパー・オシャレ・ガール、りっちゃんがコーディネートした服に文句があるなら着ないでちょーだい!」
「ごめんなさい」と謝ると、りっちゃんは納得したような素振りを見せて笑った。
「あ、りっちゃん。ちょっと待ってて」
あたしは不思議そうに首を傾げるりっちゃんを横目に、いつもの神社へ駆け込んだ。
五円玉までは入れられないけど、今日は一円玉を入れてお願いした。
──神様。
ありがとうございます。
これから純君に会いに行きます。
控え室に行けるように見守っててください。