ハーフウェイ・ライフ
まあ、なんとなく分かってたんだけど。
中学の頃の友人と言われて、思い浮かぶ名前がないんだから。
寂しいかと聞かれれば、答えはノー。
困るかと聞かれれば、答えはイエス。
こういったときに、一人酒はつまらない。
それが今のあたしの気持ち。
一人が嫌だなんていうつもりは毛頭ないんだけど、こう、周りに酔い潰れた奴らしかいないのはつまらない。
だからと言って、久々に会っただけの“知り合い”の元に行くのは気が引ける。
あたしの何よりも苦手なものは、『知り合いの知り合い』と『久しぶりに会うそれなりの仲の知り合い』だ。
よく話してた人なら、適当に話せるが、それなりの相手に会うと、どうも萎縮してしまう。
理由は簡単。
距離を計りかねるから。
まるっきりの初対面が相手なら、それなりの距離感をもって話し掛ければいいから楽なのに、それなりに話したことのある相手だと、どうにも分かんないのだ。
だから、こうして一人酒をしている現状を甘んじて受け入れているのだ。
「──あれ? 唯じゃん。なんでこんなとこで一人で飲んでんのー?」