ハーフウェイ・ライフ
まあ、大量のフリルのついた、あからさまに可愛らしー服は生理的に無理だけど。
店に入っただけで吐き気を催すけど。
そんなのは趣味の一つだと言えば納得できるし。
時々、男性服にも興味があることもあるよ?
だけどそれはボーイッシュな人と言えば納得できるし。
だから、あたし自身が男になりたいわけじゃあない。
憧れはするけど。
生まれ変わるなら絶対男がいいけど。
昨日飲み過ぎたせいか、朝ご飯を食べる気になれないから、そのまま洗面所へ。
顔を洗って歯を磨き、鏡に映った自分を見る。
「微妙……」
可もなく不可もない顔。
毛先の傷んだ長い茶髪。
やっぱり、あたしは中途半端だよな……。
体型なんかもそう。
普通か太っているかで言えば、完璧にデブ。
ただ、あからさまに太ってるわけじゃないから、正面切って『デブ』なんて言われないけど、影で言われるレベル。
顔だって、不細工じゃあないと思うけど、可愛くはない。
強いて言うなら、そこら辺に転がってる石レベルの顔だと思う。
本当に中途半端な自分に、ずっと昔から辟易してる。
だって仕方ないじゃんか。
あたしは“自分”が大ッ嫌いなんだから。