エルタニン伝奇
第八章
光が収まった後は、闇が広がっていた。
あまりの強さの光故に、一時的に視界が奪われているのか、とも思ったが、どうやらそうではない。
結界の地であったため、正確な日の動きが見えなかったが、単に日が沈んだだけのようだ。
メリクはしばらくぼんやりと座り込んで、空を見上げていた。
結界は空も覆っていたのだ。
ここに来るまでの吹雪も、結界のせいだったのかもしれない。
今、空には無数の星が瞬いている。
ということは、結界が解けたということだ。
立ち上がろうとして、手をついたメリクの指先に、何かが触れた。
かしゃん、と軽い音がする。
徐々に慣れてきた目で、それを取り上げた。
銀色に光る刃。
じっとそれを見つめていたメリクの手から、刃が滑り落ちる。
再び音を立てて足元に転がる刃は、ラスの宝剣だ。
今まで代々受け継がれてきたにも関わらず、傷一つなかった宝剣が、折れたのだ。
メリクは立ち上がると同時に、前方に走った。
ラスがいた辺りを捜す。
光が弾ける前までは、あんなに騒がしかったのに、今は物音一つしない。
目が慣れてきたとはいえ、暗闇には変わりない。
震える手で、メリクは辺りを探った。
最後にラスがいた辺りにしゃがみ込み、必死で探る手が、ぬらりと濡れる。
どうやら地面は、血の海のようだ。
そう気づいた途端、今まで気にならなかった血の臭いが鼻を突く。
手を濡らす血液は、サダクビアのものなのか、それとも・・・・・・。
あまりの強さの光故に、一時的に視界が奪われているのか、とも思ったが、どうやらそうではない。
結界の地であったため、正確な日の動きが見えなかったが、単に日が沈んだだけのようだ。
メリクはしばらくぼんやりと座り込んで、空を見上げていた。
結界は空も覆っていたのだ。
ここに来るまでの吹雪も、結界のせいだったのかもしれない。
今、空には無数の星が瞬いている。
ということは、結界が解けたということだ。
立ち上がろうとして、手をついたメリクの指先に、何かが触れた。
かしゃん、と軽い音がする。
徐々に慣れてきた目で、それを取り上げた。
銀色に光る刃。
じっとそれを見つめていたメリクの手から、刃が滑り落ちる。
再び音を立てて足元に転がる刃は、ラスの宝剣だ。
今まで代々受け継がれてきたにも関わらず、傷一つなかった宝剣が、折れたのだ。
メリクは立ち上がると同時に、前方に走った。
ラスがいた辺りを捜す。
光が弾ける前までは、あんなに騒がしかったのに、今は物音一つしない。
目が慣れてきたとはいえ、暗闇には変わりない。
震える手で、メリクは辺りを探った。
最後にラスがいた辺りにしゃがみ込み、必死で探る手が、ぬらりと濡れる。
どうやら地面は、血の海のようだ。
そう気づいた途端、今まで気にならなかった血の臭いが鼻を突く。
手を濡らす血液は、サダクビアのものなのか、それとも・・・・・・。