てめぇなんか…嫌いだ!!

マリコはそのまま放課後まで戻って来ず、テツはトイレで女子に借りたクレンジングオイルを使い、メイクを落とした。

「あぁ…これがテツだ」

鏡に映った自分を見て、落ち着いた。

やっぱりテツには、メイクなんて大人なもん…まだまだ先だな。

「ふぅ…マリコもなんかいねぇし…帰っか」

クラスに戻り、クレンジングオイルを女子に返した。

何も入ってないカバンを持ち、テツは校舎から出た。

「ふはぁ……疲れた…」

下を向いて、小さく呟く。
何か…前向くと、あの夕日が見えるんだ。

うっとうしい…

アイツを思い出すだろ。
榛 夕暮の、オレンジ色の髪。

あぁ、気色わりぃ…
未だに鳥肌が立つ。



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