てめぇなんか…嫌いだ!!
…歩き出した。…はずなのに。
前に進んでなかった。
は!?
「俺は……好きやけどな…」
なっ何だ!?
何が起きてんだ!?
ギュウッ…
まさか…は……榛!?…に、テツ…抱きしめられてる!?
少し下を向くと、鎖骨らへんにデケェ腕しか見えねぇ。
背中から、温もりが伝わる。
やべぇ…何か、心臓うるせぇんだけど…
何か、顔が熱いんだけど…
何なんだこの空気。
それに、囁かれた言葉。
気持ち悪いくらい、甘くて掠れた声で。
「…俺な?めっさ好きやで?炬哲のこと」
また、聞かされた。
テツ、嘘は嫌いなんだ。
お前はいつも、冗談ばかり言ってた。
だから嫌いなんだ。チャラチャラしやがって…