いけない保健教師〜気になる不良転校生〜
「ボクはこういう事は苦手というか、経験ないっつうかですが、まずは接吻なるものからですかな?」


“ゴリラ”は黒っぽくて分厚い唇をタコみたいに突き出して春田に迫って来た。


「止めてください!」


春田は気色悪さに鳥肌が立ちながら、精一杯の大声を上げた。

さすがの“ゴリラ”も、ビクッとして驚いた顔をした。


「そんな大声出したら職員室に聞こえてしまいますぞ?」


「だったら、私に触らないでください! 私がセクハラで訴えたら、あなたのキャリアに傷が付きますよ?」


「む…」


春田の言葉が堪えたらしく、“ゴリラ”は春田の肩から手を放した。
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