いけない保健教師〜気になる不良転校生〜
「ちょ、ちょっと、どうしたのよ、急に…?」


彩香は急いでバッグからハンカチを出した。


「ほら、これで涙を拭いて?」


「ありがとう…グス」


ハンカチで目を抑える春田を見ながら、彩香はハァーとため息を漏らした。


「あんたでも泣く事があるんだね…」


「どういう意味よ? ヒック」


「だって、あんたが泣くの、初めて見たもん」


「私だって不思議なのよ。福山君に出会ってから、急に涙腺が緩くなっちゃったみたいで…」


「福山君っていうのね? そっか…、それは本物だわ」


「何が本物なのよ?」


「福山君へのあんたの想いよ。本物の恋だわ」
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