いけない保健教師〜気になる不良転校生〜

「クソッ」


“ゴリラ”はヨロヨロと立ち上がると、徹也から距離を取り、壁に沿って横歩きをした。


「きょ、教師に暴力を振るってたたで済むと思うなよ。おまえは確実に退学だ。ざまあみろ！」


「好きにしなよ？」


徹也はまるで意に介さない様子だった。しかし、


「待ちなさい！」


春田が“ゴリラ”を睨みつけた。


「森田先生、事を荒立てたら、あなたも私への暴行未遂で、ただでは済まないわよ？」


「フンッ。俺は否定するさ。チャラチャラしたあんたと、俺の言い分のどっちを信じるか、楽しみだな」


「あら、残念だったわね。今の会話は全てコレに録音させてもらったわ」


春田は白衣のポケットから真っ赤な携帯を取り出し、ひらひらさせた。