いけない保健教師〜気になる不良転校生〜
「変な声出してんじゃねえよ。ほら」


見ると、男子は春田の前にボールを差し出していただけだったらしい。


「あ、はい」


春田は男子からボールを受け取りながら、「私を脅すの?」と上目遣いで聞いた。


「しねえよ。俺は先公が大嫌いなんだ。校長や教頭となんか、口も聞きたくねえ」


「そう?(よかった…)
でも、私も一応教師なんだけど?」


「あんたは“らしくない”から別」


「あっそ。ところで、何の用? 頭痛いの? それともお腹?」


やっといつもの調子を取り戻した春田だった。
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