Escape from the DEAD
「諦めるのはまだ早いと思う」

そんな紅の言葉に異を唱えたのは要だった。

「どんな状況下でも、皆が協力し合って生き延びるのは不可能じゃない」

「……希望的観測は後々絶望するだけだぞ?」

紅が言うが。

「俺と来生は同じクラスだけど、普段話する事なんて殆どなかった。二階堂先輩に至っては今日が初対面だ。でも二人と協力して、こうして生きて学校を脱出できた」

…そうなのだ。

どんな危機的状況下にあっても、人間は団結する事で生き延びる事ができる。

たとえ見ず知らずの人間同士でも、困った時には助け合って危機を乗り越える事ができるのだ。

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