Escape from the DEAD
山の麓にある学校と違い、市街地は当然人も多い。

その騒然とした雰囲気は、要達を圧倒した。

まだゾンビ化していないまともな人間も見受けられたが、はっきり言って他人に構っていられる状況ではなさそうだ。

…こんな混乱の時には必ずと言っていいほどいる筈の、警察官の避難誘導も見られない。

別の場所で誘導しているのだろうか。

それとも既にゾンビに…。

「凄い人の数だな…」

要が呟く。

押し退けあい、我先にと逃げる人々。

パニックとなった彼らに、最早冷静な対応を求めるのは無理な話だった。

< 107 / 241 >

この作品をシェア

pagetop