Escape from the DEAD
どのくらい離れてしまったのだろうか。

合流できるのなら、すぐにでも合流したい所だが…。

「ああっ、もうっ」

携帯電話は、こんな街中にもかかわらず圏外だった。

既に電波が混線している。

要達と連絡をとる事も出来ない。

「…………っ」

独りぼっちになってしまった。

その事が、強気な芹を不安にさせる。

どんなに口煩く気丈でも、彼女は思春期の女子生徒に過ぎない。

人前では堂々としていても、たった一人では弱気も恐怖心も露呈させてしまう。

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