Escape from the DEAD
となると、芹が一体どこに留まっているか…。

歩きながら考えていた紅は。

「ん?」

ハタと立ち止まる。

そこは月極の駐車場の前。

何台かの車が駐車したままになっている。

その中の一台に、彼女は着目する。

「二階堂先輩?」

要が声をかける。

「相沢…私は来生と違って品行方正じゃない。噂通り暴走族にも入って、無免許で車やバイクを乗り回していた事もある」

そう言って紅が近づいた一台の軽トラックには、キーがついたままになっていた。

「軽蔑するか?」

不敵に笑う紅。

「いえ…助かります」

要もニヤリと笑い返した。

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