Escape from the DEAD
自衛隊と言えば災害時の復旧や支援活動が主な任務。

だが同時に彼らは戦闘訓練も受けた兵士でもある。

銃火器も非常時には携行が許されている。

彼らと共にいる事は、要達にとっても大きな安心と言えた。

迷わず軽トラをその場に乗り捨て、自衛隊の物資運搬車輌の荷台に乗り込む。

…このトラックは大都市にある避難所まで救援物資を運搬する途中なのだという。

「どこも街は壊滅的な被害を受けていてな…我々の駐屯地から持ち出せるだけの物資を持ち出して、ようやくここまで来たんだ」

自衛隊員が言う。

「我々の駐屯地って…他の自衛隊の基地とかはどうしたんですか?他所からも救助が来るんでしょ?」

問いかける要。

「……」

自衛隊員は首を横に振った。

「他所の駐屯地との通信は完全に途絶えている…恐らくは我々のみが唯一の自衛隊の生き残りだ」

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