Escape from the DEAD
唯一の生き残り。

見た所、自衛隊の車輌はここにほんの数台程度。

この国には、国防の柱がもうこれだけしか残っていないというのか…。

「心配しなくていい」

要達が不安げな表情を浮かべたのを察したのか、自衛隊員は笑って見せた。

「どんな状況になろうと、国民の安全を守るのが我々の任務だ。君達の身柄は責任を持って我々が守る。何も案ずる必要はない」

「……」

芹が少しホッとしたように安堵の息を吐いた。

見えない所でこの国の為に尽力する自衛隊員。

こんな時でないと分からないが、彼らこそが揺らぐこの国を支えているのだ。

その事に要は頼もしさを感じていた。

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