Escape from the DEAD

「ところで…」

紅が自衛隊員に話しかける。

「今更基本的な事を訊くが…一体世界では何が起きているんだ？あの化け物達は何なのか、何であんな化け物が発生するのか…自衛隊なら知っているんじゃないか？」

「……」

自衛隊員は口を噤む。

本来『それ』は秘匿事項だった。

国民のパニックを避ける為に、決して口外しないようにと上から命じられている。

故に彼もまた、ここまで誰にも話していなかった。

同じ自衛隊員の間にだけ伝わっていた真実。

しかし既にこの国の中枢は完全に混乱、麻痺し、パニックどころではない程の無法地帯と化してしまった。

ならば、むしろ生き残っている者達には真実を話した方がいいのではないか。

彼の独断ではあるが…自衛隊員は要達に真実を話す事にした。