Escape from the DEAD
芹の言葉に、要が、紅が驚愕する。

「守ってもらったからって単純に好きになるなんて、どうかしてるって思ってます!だけどそうなっちゃったものは仕方ないじゃないですか!私は要が好きです!二階堂先輩は、それが気に入らないんですかっ?」

「っ……」

紅は言葉に詰まる。

自分でも、気づいていたのだ。

芹が要に馴れ馴れしくする度に、釈然としないものを感じていた。

下の名前で呼びあったり、親しく食事を摂ったり、寄り添い合ったり。

学園では一匹狼で通っている自分が、まさかとは思ったし、考えないようにしていたのだが…。

「……」

紅は唇を噛み締める。

紅は、芹と仲睦まじくする要に、嫉妬しているのではないかと…。

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