Escape from the DEAD
「お前さん達がどうしてあんなとこで化け物に襲われてたんだか知らねぇが、ここはウチの若いのが張ってるから安全だ。よけりゃあ、ずっといりゃあいい。食い物もまぁそれなりにあるしな」

プカリと紫煙を漂わせて言う組長。

要達は顔を見合わせる。

相手がヤクザというのは少々困惑してしまうが、見た感じ悪い人間ではなさそうだ。

それに事実ここまでの逃避行で疲労困憊、三人だけの行動に無理が生じてきた事もある。

ずっと…とはいかないにしても、少しの間は厄介になるのもいいかもしれない。

「それでは…お言葉に甘えて…」

芹が丁寧に頭を下げると。

「若ぇのに、てぇした娘だ」

組長は笑った。

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