Escape from the DEAD
組員はその銃をおもむろに構えると。

「!!」

塀の外に向けて発砲する。

恐らくは近寄ってくるゾンビを射殺しているのだろう。

見張り役という訳だ。

…何食わぬ顔をして、銃を扱う組員。

やはり一般人とはどこか一線を画している印象は拭えない。

その様子を黙って見ていると。

「やってみるか?」

要達の方に振り向き、組員が言った。

ギョッとする三人だったが。

「じゃあ、少しだけ」

そう言って塀の上に上がったのは紅だった。

「に、二階堂先輩?」

「もう『普通の世の中』じゃなくなったんだ。こういう事も覚えておいた方がいい」

驚く要に対し、紅は笑って見せた。

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