Escape from the DEAD
組員から渡された銃を両手で保持し、説明を受けながら構える。

浴衣という射撃には適さない格好で初めて引き金を引いた銃は。

「っ!」

案の定外れた。

「練習すれば当たるようになる。最初は外れて当たり前だ」

無表情のまま、組員が言った。

その言葉に頷き、紅は引き続き射撃する。

その姿を見ながら。

「あの…」

要が組員に話しかける。

「こんな銃を、一体どこで手に入れたんですか?その…違法ですよね?」

「俺達はヤクザだからな」

要の質問に、組員は微かに笑った。

「堅気のお前達には、言えない事も色々しているのさ。密輸とかな」

成程。

この立派な屋敷も、そうやって稼いだ金で大きくしたのだろう。

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