Escape from the DEAD
組員の言っていた通りだった。

床下には『色々』入っていた。

暴力団の発砲事件などで一躍有名になったロシア製の自動拳銃トカレフTT-33やその弾薬の7.62ミリトカレフ弾、黒塗りの鞘に納められた銘のわからない日本刀、軍用のファイティングナイフ、果てはドイツ製軍用狙撃銃であるH&K PSG-1、軍用小銃AR-10を狙撃銃のSR-25風に改造したものという銃器に詳しくないとわからないようなものまである。

これらも全て密輸したものなのだろうか。

仁義に厚く要達に親切にしてくれるとはいえ、流石はヤクザ者というのが正直な感想だった。

「おぅ、気に入ったのあったらどれ持ってってもいいぞ。使い方わからなきゃ教えてやる」

組員が蔵の中の要達に声をかける。

「どれ持ってっても…って…」

要が思わずタラリと汗を流した。

< 189 / 241 >

この作品をシェア

pagetop