Escape from the DEAD
土蔵を出る要と紅。

その耳に、規則的な銃声が届いた。

「ようお嬢ちゃん、日本刀が気に入ったのか?」

塀のそばに立っていた組員が言う。

その傍らでは、ライフルを構えて立射する芹。

その姿はなかなか堂に入っている。

約一時間程度練習しただけだというのに、銃を扱い慣れた狙撃手の佇まいだ。

「なかなか飲み込みがいいぜ、あの子は。弾薬の交換もトラブッた時の対処も、あっという間に覚えて一人で出来るようになった。銃撃手に向いてるのかもな」

拳銃の時もそうだったが、頭脳明晰な芹はコツを掴むのが早い。

比較的何でも要領よくこなせるのだ。

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