Escape from the DEAD
四体、五体、六体!

素早い銃の操作と発射で、こちらに迫ってくるゾンビ達を倒す芹。

たった一晩の射撃訓練だけとは思えない程に、芹は正確無比な狙撃を見せていた。

彼女ほどの腕ならば、十分にゾンビの群れとも渡り合えただろう。

…弾丸が尽きなければ。

「えっ…?」

トリガーを引いた瞬間の感覚に、芹は背筋が凍りつく。

弾丸が発射されない。

(しまった、弾切れ…!)

レミントンM700はアサルトライフルやマシンガンのような大量殺傷を目的とした銃ではない。

いわゆる『数撃ちゃ当たる』というコンセプトとは異なる為、装弾数もたったの六発しかない。

考え無しに発砲すれば、瞬く間に弾切れとなる。

プロならば残弾数は射撃しながらでも体で覚えているものだが、まだ銃撃手としての経験が浅い芹に、それを望むのは酷というものだった。

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