Escape from the DEAD
小川の背中を見つめながら、芹は歩く。

「これからどこへ向かうんですか?」

「そうだな…」

89式小銃を構えたまま、小川は歩く。

どこへ向かうのか。

それは彼自身が訊きたかった。

どこへ向かえばいいのか。

どこに行けば身の安全を保証できるのか。

この国には…いや、この世界には最早そんな場所は存在しないのかもしれない。

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