Escape from the DEAD
要と芹は顔を見合わせる。

そういえば屋上にいた生徒の一人が、何十回も携帯電話で110番通報していたのを思い出す。

結局一度も電話が繋がる事はなかった。

つまり、警察は対処に追われているか、或いは…。

「助けは来ないって事ですか?」

「そう考えた方が、後からショックは受けなくて済むかもな。またパニクられて裏切られたらかなわん」

紅がニヤリと笑うのを見て、芹はムッとした表情で彼女を睨んだ。

「でも確かに…」

二人が険悪になる前に、要が話題を変える。

「三人で身の安全を確保するくらいの気でいた方がいいかもしれませんね…」

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