Escape from the DEAD
群がってきていたゾンビ達を片付け、三人は何とか安全を確保する。

「大丈夫ですか、二階堂先輩」

散々ゾンビの頭部を踏み潰し、血みどろになった足元を気にしながら要が言う。

「ああ…」

紅は頷く。

(この相沢という男…考え方は甘いがやる時はやる男だ)

必要な時には身を張って、危険を回避するだけの判断力を備えている。

ただの平和ボケした男子生徒だと思っていたが、紅は要の評価をまた改めていた。

「『クラス委員』と『甘ちゃん』でも、少しはお役に立ったでしょうか?」

箒を肩に担いで、芹が薄く笑う。

明らかに紅に対する嫌味だった。

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