勇者様?!
「決めた…俺、毎月必ず顔を出す。」
「…無理しなくていいよ?」
帰ってくるのが難しいくらい忙しいのに…
「やだ。ラピスに変な虫が付く」
さっきの真剣な瞳はどこに行ったのか
再び駄々っ子に戻るヒスイ
「ヒスイ様…お時間です」
さっきまで外にいたお城の人がお店に入って来て、ヒスイに告げた
「ほら、行きなさいよ。勇者様」
私が言っても動かないヒスイの背中を押すように、言葉を続ける
「…待っててあげるから」
「わかった…俺、絶対20歳までに帰ってくるって約束するから、ラピスも"待ってる"って約束守ってね?」
「うん。いってらっしゃい」
「いってきます!」
そう言うと、私に背を向け扉の方へ向かった