勇者様?!
あの笑顔を見たのは、あの方…ヒスイ様が城に来て1ヵ月たったころだった
庭で1人でいるヒスイ様を見つけ、おとすつもりで近づいた
木に隠れながらタイミングを計っていると、ヒスイ様の手元で何かが動いたのが見えた
茶色の子猫だった
「おまえの名前は、ラピスね!」
その子猫に、青いリボンを結びながら名付けていた
子猫は、気に入ったのかニャーと鳴いて、ヒスイ様にすり寄って甘えている
「可愛いぃ!ラピスぅ!お前は世界一可愛いよぉ!」
いきなりだった
いきなりそんな顔をするから、私は不意をつかれたの
あの笑顔に恋をした瞬間だった
そして、あの笑顔が欲しくなった瞬間でもあった