勇者様?!
今日は天気もいいので、皆でお買い物
相変わらず、ヒスイからの連絡はない
「リンゴ買った、バター買った…」
歩きながら買い物リストを繰り返す
小麦粉など重いものは、ラズリとメノウくんが行ってくれている
『そういえばさ、ヒスイいるじゃん』
路地の向こうで誰かか言った
思わず足を止める
『へぇ。あいつ、生きてたんだ』
もう1人いるらしく、相づちをうっていた
勝手に殺さないでよ
イラッとしながらも聞いてしまう
『あいつ、城の姫様とできてんだって』
一瞬で頭の中が真っ白になった
でも、2人の会話は鮮明に聞こえる
『え?あの子は?幼なじみの女の子』
それは、たぶん私のことだ
『馬鹿だなぁ。たかが村娘と、将来を約束された姫様だぞ?どっち選ぶかなんて、馬鹿でもわかるっつーの』