勇者様?!

「やだ…行かないで…」


出ていこうとしていた、彼の裾を掴む

思い出した
私の大切な人


「ラ…ピ…ス…?」


涙が止まらない
うまく言葉が見つからない

それでも、伝えたいの
私の素直な気持ち…


「ヒスイぃ…もぅ待つのは嫌だよぉ…行かないで…」

「俺…のこと…わかるの?」


ごめんなさい…
一時でも、あなたを忘れてしまって
大切なあなたを傷つけて


「わかるよ…?あなたは、ヒスイ…私の大好きな人」

「ラピス…!」


私の名前を呼んで
抱きしめてくるヒスイ

強く、でも痛くないように優しく


「ヒスイ…」


ヒスイの暖かさが欲しくて、私も腕に力を入れる

この匂い…
この暖かさ…
これが、ヒスイがここに居ると示してくれる

だから大好き

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