アノ人と私。


「ねぇパパ、ママ、ちょっとイイ?」




「何?」




「私、バイト始めようと思うんだけど…」


一瞬、パパとママは固まった。
何かマズかったかな?



「どうしたの?欲しいものがあるなら、買ってあげるのよ。」



「そうだよ。ママがダメって言ったらパパが買ってあげるんだぞ。」



ってゆうか、堂々とママの前でそれを言ったらダメでしょ。



「ひーくん、そんな事してたの?」



何か話題変わってるし。
しかもパパ必死に取り繕ってるし。
頑張れ、パパ。



「あの、私の話は…」



「そうだったわね。何でしたいの?」



「特に深い意味は無いんだけど。ほら、パパとママは小さい頃からバイトとかしてきたでしょ?でも私は小さい頃から苦労らしい苦労なんてしたことない。私も高校生になったから頑張ってみたいの。ダメ?」



二人は静かに私の話を聞いててくれた。



「わかったわ。でも、ひとつだけいい?夜11時には家に帰ってくること。守れる?」


「うんっ!ありがとう、パパ、ママ。」



やったぁ!
パパとママの許可も貰えて、綾瀬瑠華、ついにバイトでぶー(デビュー)しますっ!





何のバイトにしよーかなぁ。
喫茶店もイイけど、ファミレスもイイなぁ。でも、ファストフード系も捨てがたい!





なぁんか、わくわくしてきた。






明日早速本屋さんに行って来よっと。




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