ダイキライ。
プロローグ
真夏の暑い太陽の日差しが私の頭に降り注ぐ。グラウンドのど真ん中で男とキャッチボールをする女子高校生、矢吹楓。
「…まじ暑いんだけど。」
グローブにすっぽり入った小さなボールを又相手へと返す。
「教室に居るほうが暑いって。」
黒髪を夏の風に靡かせながらボールを受け止める男、葵風大空。
「…まぁそうだな。」
大空は私の親友で同級。
「…っていうかお前…さっさと男作れよー」
ハハッと軽く笑いながらボールを返す。夏の風を遮るようにボールが飛んできて、私を越す。
「おい、お前ちゃんと投げろよ!」
ボールを拾いに踵を返しグラウンドを駆け走る。
…男?
…あぁ、彼氏ってことか。
「俺はちゃんと投げたっつーの。…さてはお前動揺したろ?」
そんな私の背中を見つめながら又もや笑いながら問いかける。
動揺なんかしてないっつーの!