ダイキライ。
「動揺なんかしてないっつうのー!!!」
役50m離れた所から大空へ叫ぶ。ヤケクソにボールを大空へ投げては別方向へ飛んで行き大空を困らせる。グラウンドには私達二人しか居ない。他の皆は暑苦しすぎて外に出る気力もないそうだ。そんな私達二人を屋上から静かに見下ろしていた男が居た。
「………良く遊ぶ気力あるな。…」
痛みのない金色に染まった髪を風に靡かせながらグラウンドではしゃいでいる二人を見下ろす。煙草に火を灯して髪を掻き上げると視線を移し、壁へ靠れ座る。
そんな男に出会うのはまだ先のこと。