ダイキライ。
第一章

不良と私と昼休憩と。

キーンコーンカーンコーン…重い音が校内を響き渡す。蒸し暑い教室の中で、生徒達が立ち上がる。「起立、礼。」一礼すれば皆は食堂へと走っていった。数名は弁当を持参しているのか、教室へ残る。


…私は、いつものように朝買ってきたパンを手にしながら屋上へ向かう。



「屋上は涼しいからなー…」


軽く欠伸をしながら廊下を歩み、屋上へ伝わる階段へ着く。


「…そうだね。」


本を顔に被せ寝ているであろう様子の人物が私の言葉に答える。…寝てなかったのか。


「…大空、何こんな所で寝てんの。」


っていうか邪魔なんだけど。
上れないし。


「…起きてるし。」


「なら階段で寝転がるな馬鹿!」


本を滑り落し、上体を起こす大空。


「…わあったよ。」


だるそうに返答し、本を拾い上げる。


「…っていうか今の授業サボってたの?」


「…まあな。」


「相変わらずだなーお前。」

軽く笑いながら大空の隣へ座る。大空は膝に頬杖をつきながら軽く笑い返した。


「……じゃあ俺、職員室呼ばれてるから。」


立ち上がった大空を見上げ、頷いて手を軽く振る。


小さくなる相手の背中を見送れば、私も立ち上がって屋上へと足を運んだ。


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