ダイキライ。
「お前さー、今日の朝グラウンドで野球してた女?」
野球?
あぁキャッチボールか…
「あぁ、そうだよ。」
パンをくわえながら適当に返答する。
意地の悪い先輩ならこの辺でリンチとか始まるんだろうけど、こいつにはそんな雰囲気がなかった。
「じゃあ名前聞くの面倒だからお前の事、野球女って呼ぶわ。」
……は?
っていうか名前聞くの面倒とかとことん変わった奴だな。
誰かに似てる気がするけど、それが誰かはわからなかった。
……野球女か
私が心の中でコイツのことを金髪野郎って呼んでるのと一緒か。
少し間が空いたけど、「勝手にしろ」とだけ返しておいた。