水色王子とピンク姫








『ごめんな…春……』








え?


この声、雪佳?


「どうした、高島」


「あれ?」


「頭押さえて。頭痛?」


頭痛というか……。


「なんか、変になった」


「変?」


「言葉が聞こえて……」


「何の言葉?」


「“ごめんな、春”って」


その言葉を聞いた瞬間、雪佳は目を見開いた。


そーいえば、あたしのこと春って呼ぶのは雪佳だけだ。


昔の、だけど。


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