水色王子とピンク姫
第4章:思い出すキオク
笑顔
あの後すぐに修吾君が来た。
雪佳がいなかったから不思議に思ったらしい。
「無事でよかった」
「うん……」
屋上から出れたのに、あたしは嬉しくなかった。
××××××××××
……気温が低くなり、そろそろ冬になりそうだ。
「最近お姉ちゃん元気ないね」
葵が少し心配そうにあたしを見る。
「そう?」
「うん。なんか魂抜けてる」
あたしは薄く笑うことしかできなかった。