水色王子とピンク姫
第4章:思い出すキオク

笑顔










あの後すぐに修吾君が来た。


雪佳がいなかったから不思議に思ったらしい。


「無事でよかった」


「うん……」


屋上から出れたのに、あたしは嬉しくなかった。






××××××××××








……気温が低くなり、そろそろ冬になりそうだ。


「最近お姉ちゃん元気ないね」


葵が少し心配そうにあたしを見る。


「そう?」


「うん。なんか魂抜けてる」


あたしは薄く笑うことしかできなかった。


< 209 / 245 >

この作品をシェア

pagetop