水色王子とピンク姫
あたしは雪佳のことを全て麻里に話した。
いや、話された。
「でも、春香があの櫻田君と幼なじみとはね」
麻里が頬杖をついた。
「…今は他人だけどね」
そう。今は他人。
関係ない人なんだ。
「春香。幼なじみは今も昔も幼なじみなんだよ!」
「へ?」
「しかも、本当に嫌いで避けてるなら、話したり、近付いたりしないでしょ?」
確かに…。
雪佳、本気で嫌いな人は視界に入れないって言ってたし。
「多分、何かしらの理由があるんだよ」
「そうかな?」
「そーだよ!」
でも、あたしを拒否する何かしらの理由って何?
「いーなー。王子様と幼なじみって」
「はい!?」
「だって、やっぱしいつも優しいんでしょ?今は疎遠になってるけど」
そーだ。
麻里は雪佳の悪魔モードを知らないんだ。
話したい…!