水色王子とピンク姫


「……」


昼休み。


麻里はお弁当を持って教室を出た。


これでやっと、麻里の彼氏が分かる。


尾行するってのは気が引けるけど、[知るは一時の恥、知らぬは一生気持ち悪い]だ!


「およ?」


麻里は小走りで一年の教室を通り過ぎた。


まさか、彼氏は先輩!?


麻里カッコイイー!


私だったら先輩とかとは付き合えない…。


ま、徐々に彼氏について教えてくれるよね。


「頑張れ。麻里」


麻里の背中に呟いた。


…あたしもご飯食べないとって思って弁当を取りに教室に戻る途中、クラスで1人黙々とパンを食べてる美由紀がいた。


…嘘ぉ。


急いで弁当を取って美由紀のクラスに入った。


「美由紀!いつも1人で食べてるの!?」


「うん。そーだよ」


寂しいとか思わないのかな。


「今日から、あたし美由紀と一緒に食べる!」


< 78 / 245 >

この作品をシェア

pagetop