水色王子とピンク姫
「……」
昼休み。
麻里はお弁当を持って教室を出た。
これでやっと、麻里の彼氏が分かる。
尾行するってのは気が引けるけど、[知るは一時の恥、知らぬは一生気持ち悪い]だ!
「およ?」
麻里は小走りで一年の教室を通り過ぎた。
まさか、彼氏は先輩!?
麻里カッコイイー!
私だったら先輩とかとは付き合えない…。
ま、徐々に彼氏について教えてくれるよね。
「頑張れ。麻里」
麻里の背中に呟いた。
…あたしもご飯食べないとって思って弁当を取りに教室に戻る途中、クラスで1人黙々とパンを食べてる美由紀がいた。
…嘘ぉ。
急いで弁当を取って美由紀のクラスに入った。
「美由紀!いつも1人で食べてるの!?」
「うん。そーだよ」
寂しいとか思わないのかな。
「今日から、あたし美由紀と一緒に食べる!」